
「若い頃、絵を描くのが苦手だった」「自分には絵心なんてないから…」そう思って絵を描くことをあきらめている方はいませんか?もし、頭の中に思い描いた美しい風景や、可愛らしいペットの姿を、まるで魔法のように一瞬で絵にできたとしたら、素敵ですよね?
それを実現してくれるのが、今話題の「AIお絵描きツール」です。
この記事では、50代からの新しい趣味として、AIお絵描きの世界をのぞいてみたい、という初心者の方々のために、その魅力と簡単な使い方を、専門用語をなるべく使わずに、一つひとつ丁寧にご紹介します。パソコンやスマホが少し苦手な方でも大丈夫。さあ、一緒に新しい創作の扉を開いてみましょう。
第1章:AIお絵描きは「魔法の筆」~新しい趣味で毎日を彩る~
まるで魔法!AIお絵描きってなんだろう?
AIお絵描きツールとは、一言でいえば「言葉でお願いするだけで、自動で絵を描いてくれる賢い絵筆」のようなものです。
私たちが「こんな絵を描いてほしい」と、いくつかのキーワード(これを専門用語で「プロンプト」と言います。後ほど詳しく解説しますね)を伝えると、AIがその言葉の意味を理解し、世界に一枚だけのオリジナルな絵をあっという間に描き出してくれます。
絵の具やキャンバスは一切不要。必要なのは、あなたの「見てみたい」という気持ちと、スマートフォンかパソコンだけ。絵心がなくても、デッサンが苦手でも、誰でも気軽に素敵なアーティストになれる時代が来たのです。
50代から始めるAIお絵描きの嬉しい効果
- 脳の活性化に繋がる:「どんな絵にしようか」「どんな言葉で伝えようか」と考えることは、脳にとって非常に良い刺激になります。創造力を働かせることで、普段使わない部分が活性化されるのを感じられるでしょう。
- 新しいコミュニケーションのきっかけに: 出来上がった作品を家族や友人に見せたり、SNSで共有したりすることで、新しい会話が生まれます。「素敵ね!どうやって作ったの?」なんて、お孫さんとの共通の話題になるかもしれません。
- 手軽に「創作の喜び」を味わえる: 自分のイメージが形になる感動は、何物にも代えがたいものです。完成した作品をスマートフォンの待ち受けにしたり、印刷して部屋に飾ったりと、楽しみ方は無限に広がります。
どんな絵が作れるの?
AIお絵描きツールで作れる絵は、本当に様々です。
- 思い出の風景: 若い頃に旅行した、美しい夕焼けの海岸
- 愛するペット: 庭でひなたぼっこする、愛らしい猫や犬の姿
- 食卓の彩り: 美味しそうなフルーツタルトと、湯気の立つコーヒー
- 空想の世界: おとぎ話に出てくるような、森の中の小さな家
など、あなたの頭の中にあるあらゆるイメージを絵にすることができます。
第2章:AIとの対話術「プロンプト」の基本~さあ、魔法の呪文を唱えてみよう~
AIに素敵な絵を描いてもらうための鍵、それが「プロンプト」です。難しく考える必要はありません。「AIへの”お願い”の言葉」だと思ってください。この章では、誰でも簡単にできるプロンプトの基本をご紹介します。
プロンプトの基本は「単語の組み合わせ」
実は、AIへの指示は完璧な文章である必要はありません。描いてほしい絵の要素を、単語で区切って並べていくだけで大丈夫です。
基本のコツは、「何が・どこで・どうしている」を意識すること。
例えば、「猫」だけだと、どんな猫の絵が出てくるかわかりません。そこで、
- (何が) ふわふわの白猫が
- (どこで) 窓辺で
- (どうしている) 日向ぼっこをしている
このように、要素を付け加えていくと、AIはあなたのイメージをより正確に理解してくれます。
簡単!初心者向けプロンプト実践例
では、早速いくつかの簡単なプロンプトを試してみましょう。多くのAIお絵描きツールでは、これらの言葉をコピーして貼り付けるだけで、素敵な絵が生成されます。
プロンプト例①:美しい風景画を描きたい時
プロンプト: 美しい湖, 朝靄, 静かな水面, 遠くに山々, 神秘的な雰囲気
「湖」「朝靄(あさもや)」「山」といった風景の部品と、「美しい」「静かな」「神秘的」といった雰囲気を伝える言葉を組み合わせました。
プロンプト例②:可愛い動物の絵を描きたい時
プロンプト: 柴犬の子犬, 緑の草原, 首をかしげる, 笑顔, ふわふわ
「柴犬の子犬」という主役に、「草原」という背景、そして「首をかしげる」「笑顔」といった愛らしい仕草を加えています。

プロンプト例③:おしゃれな静物画を描きたい時
プロンプト: テーブルの上, コーヒーカップ, 湯気, 一輪のバラ, 木漏れ日
まるでカフェのワンシーンのような、おしゃれな情景が目に浮かぶような単語を並べてみました。
まずはこの3つの例を、この後の章で紹介する無料ツールなどで試してみてください。きっと、あっという間に絵が出来上がる体験に驚くはずです。
第3章:もっと素敵に!ワンランク上の作品を作る「追加の呪文」
基本のプロンプトに慣れてきたら、もう少しだけ欲張ってみましょう。ほんの少し言葉を付け加えるだけで、絵の雰囲気をガラリと変え、あなたの希望にさらに近づけることができます。
①「作風(スタイル)」を指定して、好みのタッチに

同じ風景でも、描き方によって印象は大きく変わります。AIにも「こんなタッチで描いてね」とお願いすることができます。プロンプトの最後に、「〇〇風」という言葉を付け加えてみましょう。
- 水彩画風: 淡く、にじむような優しい表現になります。
プロンプト例: ラベンダー畑, 丘の上, 優しい光, 水彩画風 - 油絵風: 絵の具の質感が感じられる、重厚で本格的な雰囲気になります。
プロンプト例: ひまわり畑, 夏の青空, 力強い筆致,油絵風
アニメ風: 日本のアニメのような、くっきりとした線と鮮やかな色彩になります。お孫さんの好きなキャラクターのような雰囲気も作れるかもしれません。
プロンプト例: セーラー服の少女, 海辺の駅, 髪が風になびく, 日本のアニメ風 - 写真のようにリアルに: まるで本物の写真のような、写実的な絵を描いてくれます。
プロンプト例: 雪が積もった合掌造りの家, 静かな夜, 窓から漏れる明かり, 写真のようにリアルに

② 雰囲気を伝える「魔法の言葉」を追加する
「明るい」「暗い」「楽しい」「悲しい」といった、絵全体の雰囲気を伝える言葉も非常に効果的です。
- キラキラした、幻想的な: 光の粒子が舞っているような、夢のある雰囲気を追加します。
プロンプト例: 森の奥の泉, 月明かり, キラキラした, 幻想的な雰囲気 - 優しくて、暖かい: 見ているだけで心が和むような、穏やかな印象になります。
プロンプト例: 赤ちゃんの手, 大人の指を握る, 優しくて暖かい光 - レトロ、ノスタルジックな: 昭和の時代を思わせるような、懐かしい雰囲気の色合いになります。
プロンプト例: 商店街, 夕暮れ, 赤い郵便ポスト, レトロでノスタルジックな雰囲気

③ 有名な画家の名前を借りてみる
少し応用編ですが、「ゴッホ風」「モネ風」のように、有名な画家の名前をプロンプトに入れると、AIがその画家の特徴的なスタイルを真似て絵を描いてくれます。憧れの画家のタッチで、自分の好きな風景を描いてもらう、なんて贅沢な体験も可能です。
プロンプト例: 睡蓮の池, 柳の木, クロード・モネ風
※注意:有名な画家の名前を使う場合、著作権の保護期間が切れていることが多いですが、生成した絵を販売するなど、個人的な楽しみの範囲を超える使い方をする場合は注意が必要です。
第4章:これだけは知っておきたい!AIお絵描きの基本情報
最後に、AIお絵描きを始める上で知っておくと便利な基本情報と、注意点をいくつかお伝えします。
絵のサイズはどうなるの?
多くのAIお絵描きツールでは、最初は「正方形」の画像が作られるのが一般的です。正方形の画像は、LINEのプロフィール写真や、スマートフォンのアイコンなどにも使いやすく便利です。
ツールによっては、「横長の風景画サイズ(16:9)」や「縦長の人物画サイズ(9:16)」などを選ぶこともできます。作りたい絵のイメージに合わせてサイズを変えてみましょう。また、生成した画像の画質をさらに良くする「高画質化」という機能がついているツールもあります。
出来上がった絵の著作権はどうなるの?
これは少し難しい問題ですが、「個人で楽しむ範囲なら、ほとんどの場合問題ない」と覚えておけば大丈夫です。自分で作った絵を待ち受けにしたり、家族に見せたり、印刷して飾ったりするのは自由です。
ただし、その絵を使って商品を販売したり、コンテストに応募したりする「商用利用」を考える場合は、利用するAIお絵描きツールの規約(ルール)をよく確認する必要があります。まずは、個人的な趣味として楽しむことから始めましょう。
なかなかイメージ通りにならない時は?
AIも万能ではありません。時には、指が6本になってしまったり、顔が崩れてしまったり、全く意図しない絵が出てきたりすることもあります。
そんな時は、「めげずに、もう一度!」が合言葉です。
- 同じプロンプトでもう一度生成してみる: AIは毎回少し違う絵を描くので、再挑戦するだけでうまくいくことがあります。
- プロンプトの単語を少し変えてみる: 「猫」を「三毛猫」に変えたり、「美しい」を「壮大な」に変えたり、言葉を少し入れ替えるだけで、AIの解釈が変わり、全く違う結果が生まれます。この試行錯誤こそが、AIお絵描きの醍醐味でもあります。
- 他の人のプロンプトを真似てみる: ツールによっては、他のユーザーが作った作品とそのプロンプトを見ることができます。素敵な作品があったら、どんな「お願いの言葉」を使っているのか、ぜひ参考にしてみましょう。
第5章:さあ、始めよう!無料で使えるおすすめAIお絵描きツール
ここまで読んで、「なんだか自分にもできそう!」と思っていただけたでしょうか。最後に、会員登録なども比較的簡単で、スマートフォンやパソコンですぐに無料で始められるツールをいくつかご紹介します。
- Microsoft Copilot(旧Bing Image Creator)
- 検索エンジン「Bing」や、Windowsでおなじみのマイクロソフトが提供するサービスです。Microsoftのアカウント(無料で作れます)があれば、誰でも手軽に高品質な画像を生成できます。操作もシンプルで、初心者の方に特におすすめです。
- Canva(キャンバ)
- チラシやメッセージカードなどを作るデザインツールですが、その機能の一部として「Text to Image」というAI画像生成機能が無料で使えます。生成した画像をそのままカードのデザインに使えるなど、応用が利きやすいのが魅力です。
- SeaArt(シーアート)
- 無料で生成できる枚数が比較的多めで、アニメ風のイラストからリアルな風景画まで、様々なスタイルの絵を手軽に試すことができる人気のツールです。
まずは、これらのツールのうち、どれか一つを触ってみることから始めてみてください。「百聞は一見にしかず」です。実際に自分の言葉が美しい絵に変わる瞬間を体験すれば、きっとその楽しさの虜になるはずです。ちなみにChat-GPTやGoogle Geminiでもお絵描きをしてくれますよ、ただし無料版では画像生成に枚数の制限があったり、利用者が多い時などは生成のスピードが大変遅くなったりもします。
AIお絵描きは、あなたの人生に新しい彩りと、創作の喜びをもたらしてくれる素晴らしいツールです。絵が苦手だというコンプレックスを乗り越え、頭の中にある無限のイメージを、ぜひあなたの手で形にしてみてください。
もしあなたが「ちょっとやってみようかな?」と思ったならばぜひその好奇心にブレーキをかけず、すぐにやってみてくださいね。やってみればやっただけの道ができるものですよ。
この記事を書いた人 Wrote this article

amanatsu 女性
こんにちは、amanatsuと申します。母の介護をしながら夫と3人で暮らしている50代の主婦です。 いろいろなことに挑戦して、最近は生成AIの学校「飛翔」でAIのあれこれを学びプロンプトエンジニアの認定をいただきました。日々の健康や学びで得た「AIでちょっと便利になること」などをお伝えしていきます。